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AM・FM放送の基礎知識
2020.12.01
ラジオには、AM放送とFM放送2つの種類が存在します。この違いはご存知でしょうか?
AM放送とFM放送の大きな違いとして変調方式があります。
「AM」は、Amplitude Modulationの略で『振幅変調』と言い、
音にあわせて電波の強弱を変えて信号を伝える方法。
「FM」は、Frequency Modulationの略で『周波数変調』と言い、
音に合わせて周波数を変えて信号を伝える方法。
この2つの違いがあります。
このような変調方式の違いから、AM放送は遠くまで伝わるが、雑音が入りやすい。
FM放送は遠くまで伝わりづらいが、雑音が入りにくいという特徴があります。
AM放送にトーク番組やスポーツ中継が多く、FM放送に音楽番組が多いのは、
変調方式の特性に沿った影響なのです。
しかし昨今、AM放送は大きな転換期を迎えています。AM放送局でもFM放送(ワイドFM)を開始。
また民放連が、2028年までにAM放送局からFM放送局への転換許可や両放送が併用できるよう、
総務省に制度改正を求めました。
早ければ、2023年にもAM放送の試験停波をする実証実験を行う予定とのことです。
民放連がFM放送への移行を要望する理由として、AM放送局が設備維持費をまかない
続けることが困難だからです。AM放送局の送信所は、広い平地(海辺や川沿いが多い)に
高さ100メートル規模のアンテナを設置する必要があります。
そのため、津波や昨今増加している大雨による洪水被害にあった際に、送信所の復旧作業費が
かかることが想定され、さらに老朽化する送信所の建て替え・修繕費もかかってしまいます。
送信所を保守していくことは費用がかかりすぎてしまいラジオ局経営の痛手となります。
簡易な設備で放送することができるFM放送の方が設備投資コストを抑えることができるので効率的なのです。
コスト面で何か最良な方法が見つかれば継続は可能なのですが、ラジオ放送局の主たる収入源である
広告収入が減少傾向にある状況で設備維持のコスト負担は厳しくなっています。
ゆえに、AM放送局がFM放送局に転換する時代が将来やってくるかもしれません。